嫌なことはしたくない。努力もしたくない、できるだけラクにしていてお金を稼ぎたい。あなたも、そんなことを考えたことはあるのではないだろうか。
だけれども、最初にハードな経験をして、その基準が自分のなかでの当たり前になると、そのあとが随分と楽になるものである。
なぜなら、苦は楽の種だからである。
私は、新規開拓の営業をしていた。新規開拓といえばテレアポである。誰もがやりたくない仕事のひとつではないだろうか。私も最初は本当に嫌だった。日々テレアポで、しかも、1/150の確率でアポイントという商材だったため、とてもハードだった。オフィスにいる時はひたすらアポ電である。その当時は、プライベートでも電話でも、つい「わたくし、〇〇社の・・・」と名乗ってしまうほどだった。しかし、人は慣れると抵抗感もなくなり、日々100件以上の電話も何とも思わなくなるのだ。
そして、別の会社に変わったとき、1/15の確率でアポイントが取れる商材になった。そのときに、ハードな環境は避けられるものなら避けたいが、最初に高い基準を知っておくと、こんなにも楽になるものだと強く実感したのだ。
それから、ハードな環境があっても、この後に楽をできるのだと考え、自分自身のためだと前向きに取り組めるようになった。
ただ、それが分かるのは自分がレベルアップしたとき、その環境を離れたときである。その渦中にいるときは分からないのだ。こんなことやっていて意味があるのか?という葛藤をした先に分かってくるものである。だからこそ、目の前のことを乗り越える努力が必要なのである。