仕事をしていく上で目標設定は欠かせないものになっている。定期的なミーティングはどの企業でも行われている。
私は、この目標の話になるときに起こるある現象が気になっていた。それは、上司が部下のことではなく、上司自身の目標や夢を延々と語りだし、“説得”をしだすことである。
とくに、成績が芳しくない部下や、目標を明確にできない部下に対して、どうにかしてモチベーションを上げようとするときに起こっているように思う。
しかし、ここで大事なのは、上司の夢や目標ではない。部下がどうありたいと思っているのか?仕事を通して実現したいことは何か?など、さまざまな質問で深堀りしていくなかで、部下が自発的に自分自身の価値観や目標に気付けるようにすることではないだろうか。
なぜなら、甚大な災害でさえも、対岸の火事として生きていけるのが人だからだ。
人は小さい頃から、他人に優しくしなさいとか自己犠牲といった教えを受けて育つものである。しかし、そもそも人は“自分が一番かわいい”のである。他人のことは二の次、三の次なのだ。
部下にモチベーションを持たせようと、一生懸命にやっている姿勢は伝わるのだが、他人の夢や目標には多くの人はたいして興味がないものである。また、同じような価値観を持っていれば、響くことがあるかもしれないが、価値観が違えばまったく響かない。部下の頭のなかは、目標どころではない。きっと「この話いつ終わるのだろう?つまらない、面倒だ。」になっているだろう。
目を向けるところはどこなのか?しっかりと部下をみて、自分の話はほどほどにしよう。