「ディレクター」の仕事は、業界によって異なるなど曖昧な部分もあるが、端的にいうとプロジェクトの総指揮を執る人・監督する人といったところである。
総指揮、監督という言葉から、(偉そうに?!)どんと構えているイメージを持つかもしれないが、プロジェクトを完遂するために、状況に応じてさまざまな役割を求められるため、変幻自在に役割を変えて動いていける能力が求められるのだ。
基本姿勢
立場をわきまえる
同じディレクターの仕事であっても、プロジェクトによって自分の立場が微妙に変わってくるものである。まずはその立場をしっかりとわきまえることが大事である。
例)
・自社プロジェクトで、自分が年長者や経験が豊富
→自分が軸となり、積極的に動いていく
・クライアントのプロジェクト
→自己PRも大事だが、第一は社員の方を立てる立ち回りをするなど配慮をする
パートナー関係を築く
正社員じゃないから、新人だから、外注業者だからなど、相手を上に見たり下に見たりせず、同じ目的に向かってミッションを遂行する対等なパートナーとして関係を築くことを心掛けよう。
ディレクターの役割
リーダー
―指揮
プロジェクトとは、予定通りに進まないけれど、納期はずらせないというのが常である。時にはハードな局面も出てくる。そういったときでも、メンバーを引っ張っていかなければならない。
ひと言でリーダーと言っても、率先型、民主型、関係重視型などさまざまだが、共通していえるのは、信頼がありついていこうと思わせる影響力があることだ。
ネゴシエーター/コーディネーター
―交渉/調整
ディレクターの一番の役割はこれである。大きなプロジェクトであればあるほど、関わる人が増える。そうすると、さまざまな言い分などがでてくる。また、トラブルも起きやすくなり、それによる影響範囲も大きくなる。
最適解を見つけるためには、交渉力と調整力が必要になり、またこれがプロジェクトの成否を決める鍵になるのである。
フォロー
―支援
状況をよく観察把握をし、リスクになりそうなところ、困っているところには必要に応じて手を差し伸べていく。
コネクター
―繋ぐ
プロジェクトを動かしていくには、社内外問わずさまざまなところからリソースや物資を調達したり、繋げたりする必要がある。あいだに入り繋げていく役割を担うのである。
アシスタント
―助手
キャパオーバー、手が足りないなどがあれば、雑用と思えることであっても「自分がやることじゃない」と突っぱねるのではなく、やっていくことが必要である。
最後に
プロジェクトの指揮を執っていくには、幅広い知見とスキル、臨機応変な対応力が求められるのである。きついと思うこともあるかもしれないが、見方を変えれば、こんなにもろいろな役割を持てる職種はほかにはない。俳優(女優)になったつもりで楽しんでみよう。