人に付かずに判断する力

仕事に「人の好き嫌い」といった感情を持ち込むことは本来あるべきことではない。しかし、その感情を切り離すことができずに仕事をしている人が大半ではないだろうか。

ただ、経営者であれば、生ぬるい対応では通用しない場面での判断を迫られることが多々ある。人に付かずに、フラットな視点から的確な判断力。この人に対する感情をいかにコントロールできるかが大きく明暗を分けたりする。

なぜなら、天下取りは忠誠と裏切りの繰り返しだからである。

とある仕事で、エンドクライアントが無茶苦茶な要望をしてくることがあった。クライアントの社員がリーダーとしてどうにか対応をしていたものの、端から見ていてよくない方向に行っていることが分かる。どうにかサポートできればとリーダーに話をするも、プライドもあってか聞く耳を持たない。そして、自分の能力を私にアピールすることが目的になり暴走していった。

この場合、リーダーが私に対して能力をアピールすることはまったく必要ないことである。目的ただひとつ。エンドクライアントの無茶苦茶な要望にどう解決策をだしていくかである。

このままでは状況が悪化する一方だと判断し、クライアントの社長と話す機会をもらった。この社長は、冷静にフラットな視点で判断をしてくれた。
社長であれば、社員の肩を持ちたかったかもしれない。また、外部の人から社員のことを言われれば、社長自身のマネジメント力を問われていると、今度は社長のプライドが出てきて、ますます厄介なことになる可能性だってあった。

社長からリーダーであった社員に話をしてもらったことで、その社員も冷静さを取り戻し無事にプロジェクトが納まった。

人に付かない、感情で判断をしない。経営者はもちろんだが、そうでなくともビジネスをするうえで重要なスキルである。

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