あなたの自己防衛術は大丈夫?感情的な自己弁護は自分を窮地に追い込むだけである

感情のブレが大きい人の特徴として、視野が狭いことが挙げられる。自分のことしか見えておらず、自分を守るためだけに、感情が高ぶり周りを攻撃するのである。

「自分の身は自分で守る」これは大事なことである。厳しい世の中を生き抜くためには、必須スキルである。しかし、“自分視点“だけでなく、相手も守る、目的を達成するためにはという周りへの視点も含めて考えられるようにならなければならない。

私は、理不尽なことが世の中にはたくさんあると知ってから、“諦める”ことができるようになった。無駄な抵抗はしないといったところだろうか。だから、自分の身は自分で守らなければという気持ちは強く持っている。

しかし、自分だけの身を守ることにしか目を向けられず、「私は悪くない」という言い訳ばかりを探し、主張を押し付ける。自分の立場が危ういものなら、相手を攻撃するように言葉を選ばずぶつけていたりしていた。そうすると、自分を守っているはずなのに、真逆のことが起きるのである。評価もされず、人間関係もぎくしゃくする。常に感情が高ぶり、攻撃的な考えが頭のなかをぐるぐるするので、エネルギーも使う。それも負のエネルギーだから、疲労感が半端ないのである。

そんなことをずっと繰り返してきたのだが、「感情のコントロールをしなさい」という言葉をもらったことや、さまざまな経験を積み重ねることで、少しずつ大人な対応ができるようになっていった。年を重ねた人に「ずいぶんと丸くなった」という言葉が使われるが、それである。自分が痛い目を合うことで、人の気持ちを配慮できるようになったり、目的のために“折れる”こともひとつだと考えられるようになったのである。

そうすると、自分がやっていた「自分の身は自分で守る」というのは、被害者意識まみれで自己弁護しようと必死に抵抗しているだけの幼い行為だったと分かってきた。
本来取るべきだった行動は、「相手も守る」ことも意識して、目の前に起こっていることを解決する目的はなんなのかと広い視点冷静に見て判断し、自分にも相手にもちょうどいい落とし所を探り、最適解を見つけていくことである。

感情的になりやすい人はとくに、まずは出来事を受け入れることを意識することが大事である。話半分で反論をしてみたり、部分的な言葉に飛びついて反応したりすることを回避するのである。すぐに反応してしまう状態になっているのは、感情のコントロールがすでにできなくなっている。その状態を作らないようにするのである。ひと呼吸おいて、少し時間を取ってみよう。

感情的な人は、自己防衛しているつもりが、実は窮地に追い込まれることがほとんどである。そのくらい感情というのは厄介なものなのである。ビジネスの場であればなおさら、感情は不要と心得て、目的達成のためにどうするべきかを考えることに集中しよう。

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