相手を打ち負かそうとする交渉は決裂!?自分の言い分より相手の言い分を大事にする 

ネゴシエーション―交渉―。こう聞くと、言葉巧みに相手を自分の有利なほうに誘導し、条件をのませて利益を得る。つまりは相手を打ち負かすというようなイメージがあるかもしれない。しかし、交渉とは相手を打ち負かすことではない。

もちろん自分の利益を得ることも重要だが、相手のことを考え、理解しようする姿勢は、交渉においてさらに重要な要素になる。

私は、交渉が得意ではない。口下手であるし、相手の言い分に対して論理的に切り返していくようなこともできない。しかし、ほとんど相手と対立することなく、またこちらの条件も
受け入れてもらえるような形で交渉が成立する。

その理由のひとつが、「相手のことを知り、考える」ことにあると感じている。
以前は、自分の立場ばかりに目がいき、相手のことを考えない自己防衛をしていた。そうすると、相手も警戒心を抱くようになり、腹の探り合いになり、ぎくしゃくした関係になってくる。

例えば、クライアントと何かと揉めてしまうような場合、コミュニケーション自体が不足していることは往々にしてあることだが、そのコミュニケーションの際にも、どれだけ相手のことを知ろうとし、考えようとしているかの姿勢がなければ、どんなにコミュニケーションを取ったところで、自分を守る言い分しか相手に伝わらないことになってしまう。そして、ほんの些細なことが引き金になって、繰り返し揉めごとが発生してくるのである。

会社に属していれば、上司や同僚・部下の目も気になるところだ。社内での立場というものがある。それを守ろうとするばかりに、相手に目が向かなくなる。しかし、相手も同じなのである。必死に“立場”を守っているかもしれない。相手はどんな立場にいて、何を気にしているのだろうか?恐れているのだろうか?何をしてあげればその不安や課題が解決できるのか?を冷静に考えてみる。相手になったつもりでシュミレーションしてみる。そして、相手に歩み寄り、ときには共感をしながら、相手の話をきちんと聞くことである。

打ち負かそうと思えば思うほど、関係はぎくしゃくし交渉は決裂する。相手を知り、相手を理解しようとする姿勢を持って臨めば、良い交渉が成立するし、また先の関係性もスムーズになり、些細なことがきっかけで、何かと揉めごとが起こるような事態も防げるのである。

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