世の中にはどうしても納得できないこと、自分の力ではどうにもならないことがある。理不尽だと感じることもたくさんある。
これらに真正面から向き合っていったら、それだけで人生が終わってしまうし、自分が潰されてしまう。
私は、正義感を振りかざし、納得できないことに立ち向かっては疲弊していた時期がある。そして、どうせ世の中なんて…と腐っていた。振り返ってみると、本当にどうにかしようという気概は持っていなかったようにも思う。単に、自分が向き合いたくないことを何かのせいにしていただけなのだろう。
そうはいっても、やはりどうにもできないことがあるのは事実だ。避けたくても避けられないことは山ほどある。それが、生きていくということでもある。
そこで、ゼロか100かにできないことには、距離を調整して自分のバランスを取っていくことが有効である。
なぜなら、恋愛は妥協点を見つけることだからだ。
私が、この距離感の重要さを実感したのは、起業したことがきっかけである。
例えば、会社の行事への強制参加である。上司の武勇伝なのかよく分からない話を延々と聞かされるような飲み会は大嫌いだった。参加しないとグチグチ言われ、評価にも響く。そういったことに納得できなかった。
しかし、社員と業務委託では、求められるものが変わった。社員であれば“行事への参加”も評価のひとつだったが、業務委託は仕事に対しての評価だけである。飲み会に声を掛けられることはあっても、強制参加ではない。それが合っていたのだ。
私は、飲み会自体が嫌いなわけではない。強制されることが嫌だったのだ。だから、強制される環境と距離が取れたことで、とてもラクになった。
心地よく生きていくためには、時にはリスクを取ることも必要ではある。しかし、ちょうどいい距離を見つけていけばとてもラクになる。
どうにもできないことに不貞腐れず、自分にとってどのくらいの距離が心地よいのかを探っていこう。