すべてが自分の思いどおりにいく、勝ち続けられるのが人生であったらどんなにいいだろうか。だけど現実は真逆であることがほとんどだ。
しかし、負けを知っていることは強みなのだ。
なぜなら、恥をかくことは自分を知り、自分を変えていくことだからだ。
人は浅はかであり、誰かに勝ったりうまくいくと自惚れ、自分の実力を見誤ること少なくない。そうなってしまうと、環境が変化しても、変わることを拒み適応していくことが難しくなっていく。
しかし、負けを知っていると、「2度とあの思いをしたくない」という気持ちが常に働く。すると、生き残っていくために必要な努力をしようとする。
20代のころの私は、ほとんど泣いて過ごしていたといっても過言ではないほどだ。将来の不安や孤独さ、日々葛藤の連続である。人生勝ち負けではないし、勝ち負けの明確な基準はない。しかし、自分の心のなかには敗北感しかなかった。
今となっては笑い話だが、このときに戻りたいかといえば戻りたくはない。だからこそ、いま目の目にある壁をどう乗り越えるかを考え行動しようとパワーが出てくる。
負けることは嫌なことであるが、その思いを記憶していることが、そこに戻らないようにしようとする前向きな気持ちを喚起してくれるのである。