「とりあずつくってみて」「とりあえず考えてみて」「信用しているから任せる」。
こういう言葉よく使っていませんか?しかし、この言葉は、崩壊の始まりの危険な言葉なのだ。
なぜ、この言葉が危険なのか、そして、どのように対応していくとよいのだろうか。
「とりあえず」「信用」ー“いかにも”な言葉の罠
「とりあえず」。あたかも相手に自由を与えているように聞こえるが、たいがいこの言葉を使う場合は、自分が面倒なことから逃れたくて、相手に一旦押し付けてみようという場合がほとんどである。
「信用」。良好な人間関係を表す(ように見せる)響きの良い言葉である。しかし、この言葉もやはり自分が面倒から逃れるために、響きの良い言葉で誤魔化している場合がほとんどである。
安易に使えるイメージの良い言葉で逃げないことが大事である。
依頼をするときのポイント
1、目的と意図を共有する
・打ち合わせをする
・指示書のフォーマットを用意する
形式にかかわらず、必ず目的と意図の説明は行うことが重要である。
とくに、以下の3つは意識しておこう。
✓Why DO?(なぜやるのか?)
✓Why Us?(なぜ私たちなのか?)
✓Why Now?(なぜ今なのか?)
「わかっているはず」は禁物である。
相手は「わかっていない」を前提に伝えることが必要である。
2、制約をつくる
・与件を伝える
「とりあえず自由に」と言われることほど難しいものはない。
制約があれば、その範囲のなかで情報を収集できたり、発想も広がりやすくなるのだ。
3、定期的な確認
・最初は短いスパンで確認をする
作り込んでしまってからのやり直しは、負荷が大きくなる。
認識の齟齬を最小限に防ぐためにも、短いスパンで確認を入れ作り直しの負荷を
小さくする。
・70~80%の完成度で確認をする
70~80%の完成度を、100%の完成度とほぼ同等であると考える。
残りの20~30%というのは、こまかな調整やちょっとしたこだわりの部分であることが
多い。そのため、仕上げの手前で確認を入れて、その状態でOKであれば完了させること
ができるし、最後の仕上げをしてもらうにしても、最小限の作業で終わらせられる。
最後に
権限移譲ができれば、自分のできることが増え、また自分がやらなくてはならないことに集中することができる。しかし、間違った権限移譲=丸投げをすると、かえって自分の負荷が増えるだけではなく、創り上げたものが崩壊するという悲劇を生むのである。