ロールモデルがいないことで、仕事のモチベーションが上がらないなど支障がでるという相談を受けることがある。しかいし、ロールモデルはそもそも必要なのか?と疑問に思うこともある。
私は、小さい頃はいろいろと憧れの人がいた。社会人になってからも、この人みたいになりたいな思ったこともある。著名人の自叙伝の類の本をたくさん読んでいた時期もある。
しかし、憧れが強くなりすぎると、そうなれない自分を「どうせ自分なんて・・・」とひねくれてみたり、ないものねだりばかりをするようになっていた。もちろん、うまくいかない原因はそれ以外にもあったと思う。
社会人になって間もないころに、そんな私の性格を見抜いた上司から「誰かに憧れたり、著名人の本を読んだって成功なんてしない。ひねくれたり、ないものねだりしてばかりで、行動しない言い訳にするくらいなら本なんて読むな」と言われたのである。
その言葉をきっかけに、一時期は‘成功者の本’の類のものは一切読まなかった。また、こんな風になりたいなという特定の人を持たなくなった。
会社では、自分と同じような境遇の人が、どんな風に働いているかというロールモデルを探すことがある。それを目指してキャリアアップを目指す人もいるだろう。逆にロールモデルがいないからモチベーションが上がらないという人もいる。
たしかにロールモデルがいたほうが、自分の目指すべき方向がイメージしやすい。しかし、あくまで自分は自分である。どんなに似たような境遇で共感できることがあっても、あくまで“ニア“でしかない。全く同じということはないのである。
だから、誰か特定の人でロールモデルを探す必要はないと考えている。身近な人はもちろん、アニメのキャラクターも参考にしてみるといい。「ここがいいな」と思うところを集めて、それらの要素に自分自身を掛け合わせて、オリジナルをつくるのはどうだろうか。
‘特定の人‘で探してしまうと、ちょっとした違いが生じたときに目指すべき方向を見失ったり、都合のいい言い訳をしてしまう。
また、ロールモデルは絶対に必要なものではない。憧れの人がいることが大事だとか、ロールモデルを会社の中に作り出さなければいけないという概念にとらわれすぎないようにしよう。