監視ではなく権限移譲を!「プロセス」で管理されると指示待ち人間になっていく

マネジメントをする立場の人は、いかに周りに仕事を任せていけるかが、事業を成長させていたくための鍵になる。しかし、「人に任せる」ことが苦手な人は多いのではないだろうか。
理由はいろいろなことが考えられる。例えば、仕事を教えている時間で自分がやってしまったほうが早いと考えてしまうこと。また、任せたことでトラブルが起き、管理責任を問われたり、信用を失うことを恐れてしまうことなどだ。

とくに自分の身を守るために「プロセス」で管理をしようとしていくと、監視したり、あれやこれやとすぐ口出しをするようになる。相手からするとたまったものではない。
「いまやろうと思っていたのに!」と、親に反抗した経験がある人は多いだろう。それと同じで、人間はやろうとしている矢先に茶々を入れられると気分を害し、やる気が失せるものである。終いには、どうせやっても何か小言をいわれるからと考えるようになり、自分で考えることをやめ、受動的になっていく。それにもかかわらず、そのようなマネジメントをする人は多い。

私は、起業した当初「プロセス」を管理したがるクライアントとの取引があった。当時は、個人事業主だったため、離れた場所で仕事をしてもらうことに不安だったのかもしれない。しかし、何かとすぐに連絡がきたりしていると、「言われなくてもやっている」とか「こちらのタイミングもあるのに」という不満がどんどん募っていった。そういうクライアントとはすぐに取引をやめた。一方で、必要最低限での連絡やフォローをしてくれるクライアントとは、スムーズに仕事が進み、長く取引が続いている。管理されないからサボるではなく、逆にほどよい緊張感と責任感を持って仕事に取り組める。

また、仕事を外部の方に依頼することもあるが、私自身が管理されることが大嫌いなこともあって、必要最低限のフォローのみで、余計な口出しや手出しはしないようにしている。しかし、それぞれが報連相をしっかり実施しながら、完了までしっかりと対応してくれる。みなが最小限の労力で快適に仕事ができるのである。

「プロセス」で管理しようとするのは、自分の立場を守ることしか考えていないからである。自分勝手な行動である。
また、仕事とは結局「成果」で評価されるものである。「成果」を出せる力を身につけられるように権限移譲をしていくこと、その上でプロジェクトやチームでの結果につなげていくようにするのが管理職の役割ではないだろうか。

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