人生とは選択の連続である。ということは、私達は、無意識のなかで常に何かしらの判断を下しているのである。
「今日の夜ご飯は何にしよう?」「どっちの色のシャツにしよう?」といった選択は、たいしたことはない。しかし、仕事で素早くかつ的確な選択を迫られるようになると、そうはいかなくなる。
多くの要素が絡み合う仕事では、どのように状況判断をしていくとよいのだろうか。
的確な状況判断をするための5つのポイント
1 目的・意図を理解する
目的がなければ、どこに向かって進むのかが分からない。着地点がないのに手段を考えることはできない。どんな状況下においても、目的がなんだったのか?を確認し、それを達成したいのはなぜか?その視点から、いま目の前ですべきことは何なのかを判断すれば、最適解が導ける。
2 責任感とゆるさのバランス
判断を迫られるときは、それなりに重要な局面である。責任が重大になるから、強いプレッシャーもかかる。そうなると、全身がこわばり視野が狭くなってしまう。
そこで大事なのが、強い責任感だけでなく、「数多くある出来事のうちのちっぽけなひとつでしかない」「所詮、仕事」くらいのゆるさを持ち合わせることである。そうすると、視野が広がる。
3 周りの能力や関係性を分析する
状況判断をするには、取り巻く環境の分析が必要である。1人1人の能力や特徴、またメンバー間の関係性など、情報収集をしてしっかりと分析をしておく。ベストな解決策を取りたくても、それに適応できる人材がいなければ話にならないのである。
4 犠牲をいとわない
誰もが損はしたくない。しかし、時には何かを犠牲にする必要もでてくる。それを瞬間的に判断できる勇気も必要である。
野球で考えてみると、野球では、ランナーが同時に複数いる場合がある。守備の目的は、点数を取られないことであるが、ホームに向かうランナーを明らかにアウトにできないタイミングであれば、うしろにいるランナーを刺すという判断に切り替える必要がある。
結果として、そのときの“1点”の差で負けてしまうかもしれない。たとえそうであっても、犠牲を払うという考え方も必要なのである。
5 正解を求めない
ビジネスや人生においては、学校の試験のように正解というものがない。ケースバイケースである。だから正解を求めること自体が間違っている。
正解を探すのではなく、判断したことに全力で取り組み「この判断をしてよかった」といえるようにする行動力が重要なのである。
まとめ
誰かに判断を委ねれば、他責にできてラクかもしれない。しかし、それではいつもまわりに流され、自分の意志を持てなくなる。そうして自信も失われていく。ポイントを抑えて、勇気を持って判断をしていく。そして、それを正解だったといえるようにしていく経験を重ねることで、感覚も研ぎ澄まされ、自信もついていくのである。