「時は金なり」は、会社員には理解できるのか?

「時は金なり」。アメリカ合衆国建国の父といわれるベンジャミン・フランクリンの言葉である。仕事の場面でもよく使われている言葉である。解釈はいろいろあるが、仕事の場面で使われているのは機会損失という解釈だろう。

よく上司から「時は金なりだ」と言われたことがあるのだが、腑に落ちたことがなかった。
しかし、あるとき、その言葉が腑に落ちたのだ。私の働くモチベーションに“お金”が大きな比重を占めるからかもしれないが、起業すると完全実力主義の世界になる。案件を獲得すれば、その分報酬が積み上がっていく。

私なりの解釈だが、経営者が必死に「時は金なり」だと社員に伝えても、腑に落ちていないかもしれない。有名な言葉だから、相手も同じように理解していると思うのは危険である。

なぜなら、「愛してる」は「月がきれいですね」だからである。

会社員であれば、必死に働こうがさぼろうが、毎月決まった分しかお金が入ってこない。

私は、会社員のとき、顧客の会社が遠いと移動時間が長くなるから喜んでいたこともある。
しかし、起業してからはちがう。仕事の依頼があれば受けたい。時間をいかにうまく使うかを全力で考える。時間が惜しくてたまらない。移動時間なんてできれば使いたくない。

そのときに、ふと思ったのだ。時間が分かりやすい報酬で返ってくるようでなければ、どんなに「時は金なりだ」と説教じみたことを言われても腑に落ちないのではないかと。だから、やってもやらなくても決まったお金が入ってくる会社員には理解し難いのかもしれないと。経営者ではない管理職たちも含めて。

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