あなたはいま、やりたいことが仕事になり、収入につながっているだろうか?
多くの人は、小さい頃から夢があり、それを目指して努力してきたことがあるだろう。しかし、どこかで壁にぶつかり、自分の限界と向き合い、気づけば別の道を歩んでいたりする。本当にやりたいことを仕事にできる人は、ほんのひと握りで、多くの人は、やりたくないことを生活していくためには仕方がない…と諦めて仕事をしているのではないだろうか。
では、やりたいことを仕事にできなかった場合、何をやるのがよいのだろうか?
いまは働き方も多様化し、フリーランスや副業といった働き方もずいぶんと受け入れられやすい社会になっている。
そこで、一歩踏み出そうとしたとき、ここぞとばかりに“やりたいこと”に目が向いていないだろうか?もちろん、その視点で動くこともよいのだが、収入につなげるにはなかなかハードルは高い。
副業であれば、本業での収入が安定的にあるため、チャレンジしてもまだリスクは小さいが、法人やフリーランスとして起業してやっていくとなると、収入の柱が1本になるため、収入がない状況が続くと精神的に追い込まれてしまう可能性がある。
私は、もともやりたいことがあって起業をしたわけではない。起業をしようと明確な目標や準備があったわけではなく、成り行きだった。やりたいことはない、事業計画、ポートフォリオを作ることもできず、だけど収入を得るにはとにかく行動するしかなかった。
そこで、やったことはひとつ。「自分ができること」を売り込んでいくことである。ポートフォリオなどサービス案内資料は作れないけれど、自分ができることを話すことはできる。そうやって、打ち合わせの機会をいただければ、できることを話して、条件が合えば発注をいただいてきた。
そんななかで、自分のスキルのどういったところに感謝をしてもらえるのかが見えてきた。そして、それが強みであり、価値だと分かってきた。しかし、その強みは自分ではあまり意識していることではなかったし、好んでやりたいと思っていることでもなかった。だけど、稼ぐという視点から見ると、こういったところに価値があったのである。
【得意・強みの見つけかた】
1、周りに聞いてみる
自分の強みは、自分では気づきにくいものである。
なぜなら、得意なことというのは息をするのと同じように、当たり前に無意識化で
深く考えずともできてしまうから。
しかし、周りから見ればそれは“特別”なことであることがほとんど。
できない人からすれば、どうしてそれができるのかが分からないのである。
得意や強みが分からないときは、悶々と思い悩むより周りに聞いてみるのが早い。
2、感謝されたことはどんなことか整理してみる
ビジネスを成立させるためには市場がないと話にならない。
どんなにやりたいことであっても、自分では素晴らしいアイデアだと思っても、
それを買ってくれる人がいなければただの自己満足、趣味の域で収入を期待せずに
やっていくしかない。
ビジネスの基本はお客さまの課題解決である。それが実現できたとき、お客さまから
「ありがとう」と感謝をいただける。あなたがしたことで感謝をたくさんもらったことは
何だろうか?
3、4つの軸で棚卸しをしてみる
たとえやりたいことがあっても、残念ながらそれができることではない。
人には向き不向きもある。そこで以下の軸から考えてみるものひとつである。
①やりたいこと×できること
この領域を仕事にできる人はひと握りである。いわゆる子どものころからの夢を
叶えられたような人である。多くの人はここを目指したいだろうが、現実は厳しい。
②やりたくないこと×できないこと
この領域のことは、モチベーションもスキルもないから考える必要はない。
③やりたいこと×できないこと
この領域で仕事をしたいが、壁にぶつかる人が多いのではないだろうか。
やりたいことを実現するためにできるようになるまで努力をする。
たとえば、資格を取得することもひとつだろう。
努力することは素晴らしいことだし、できるようになって収入につながっていく
可能性はある。しかし一方で、もともとにできる人(得意・強みとしている人)と
競合していくことになるので、せいぜいできるようになっても突き抜けることは
難しいかもしれない。
④やりたくないこと×できること
この領域が、得意・強みであり価値となっていくことが多いのが現実である。
やりたくないことをやっていると、つい周りがよく見えてしまったり、
モチベーションはたいしてないから、
他にいいものはないかと探しがちだが、収入につながりやすいのは実はこの領域である。
人生において多くの時間を費やすのは仕事である。だからこそ、この時間を充実したものにできるかが重要であるし、そうしたいと望むのも当然だろう。
そうなると、ついやりたいことができないことに不満を抱きがちなのだが、ビジネスには厳しい側面が付きものだということも認識しておこう。
市場があってこそビジネスは成り立つ。やりたいことを仕事にできるに越したことはないが、得意・強みで価値をつくっていくことに目を向けてみてはどうだろうか。そして、その領域で価値をとことん磨きあげ突き抜けていくのもあり、それを土台にしながらやりたいことにチャレンジしていくのもあり。
やりたいことばかりに目を向けず、自分のスキルを一度棚卸ししてみよう。