かの有名なダーウィンの進化論にも「強いものが生き残るのではない。変化できたものが生き残る」という言葉があり、私たちは変化することの重要性を常に教えられてきている。
また、昨今の技術の発達や価値観の多様化などから、変化していくことが求められ、何かといえば“イノベーション”という言葉が飛び交う環境で仕事をしている。
果たして変化していくことは本当に正しいのだろうか?
私は、常に自分を成長させたいと思っている。一方で自分にまったく自信がなく、コンプレックスの塊だ。だから、成長したいという強い気持ちと、このままではいけないという強迫観念のようなものがいつも自分のなかに存在している。
現状に満足せず自分の理想を求めることにより成長しようとすることは大切である。しかし、ときにそれにより間違った変化を求めてしまっていることもあるから注意が必要だ。
私は、“変わらなければならない”という強迫観念が強くなりすぎて、変えなくてもよいことまでを変えようとしていたことがある。
社会情勢など外部環境の大きな変化によって、事業軸を変化させていく必要があると試行錯誤していた時期があるのだが、「うまくいっているやり方をなぜ変えようとするのか?」ということを言われたのである。言われてみれば…である。結果がでているということは、なにかしら正しい方法でやれているということなのだ。
このとき、なんでもかんでも“変化“”これからの時代は〇〇のスキルがないとね・・・“と普段何気なく使われている言葉に振り回されてはいけないと強く思った。
その頃ちょうど起業家のキャリア相談を引き受けていたこともあり、その人たちのデータをもとに分析してみたのだが、結果がでている人や成長意欲が高い人ほど、変化しないといけないと考える傾向にあった。
【CASE】起業家が陥っている思考
・うまくいく(いっている)人
もっともっと上を目指したい→このままではだめ
⇒自分が変化(成長)しないといけない
(うまくいっていることをやめてしまう)
・うまくいかない人
自分はちゃんとやっている、いい商品を提供している→環境やお客さんが悪い
⇒自分は変化する必要はない 周りが変化してくれないとだめ
(うまくいっていないことをやめようとしない)
もちろんうまくいっている場合でも、外部環境の動きをよく観察し変化していく必要はある。これを勘違いして、「うまくいっているから(現状維持)このままでいい」としてしまうと衰退に向かう。維持することにも微調整は必要である。
“変わらなきゃいけない“という気持ちが強いと、うまくいっているスタイルを「これでいいのかな…?」とつい考えがちだが、「これがいい!!!」と自信を持ってやり続ければいい。
変化には良い変化と悪い変化があり、見極めていくことが重要であることを忘れないようにしよう。