どんな仕事でもスケジュール調整が発生する。日々当たり前のように行われる作業のひとつだが、あなたは周りにスケジュールの指示をするとき、どのように調整をしているだろうか?
「日付を指定するだけでしょ」と深く考えたことがない人もいるかもしれない。一方で、スケジュールの指示で失敗をしたことがあるという人も多いのではないだろうか。
私は、今でこそほとんどそういったことはなくなったが(ただし完璧ではない)、何度も失敗をし、冷や汗をかいたことがある。
スケジュールの指示でミスコミュニケーションになりがちな例をいくつか見てみよう。
1、日にちだけを伝える
「この資料を◯月◯日まで提出してください」
一見すると、きちんと指示をしていて問題ないようだが、この指示を見たとき、
あなたは いつまでに資料を提出するだろうか?おそらく、その答えはひとつではないはずだ。
ここでミスコミュニケーションの原因になるのは、“時間”まで指定していないことだ。
人によって捉え方は異なってくる。例えば、以下のような解釈だ。
①その日の18時まで(就業時間内)
②その日中(24時までであれば、夜遅くてもかまわない)
③翌日の9時(始業時間)まで
業界や職種などによって、大きく異なるのである。③は極端な例と思うかもしれないが、
私は③の感覚で仕事をしている業界の人たちと仕事をしたことがある。②はまだしも、
③の考え方には驚いた。それと同時に、捉え方は人によって大きく違うことに留意して、
指示を明確にしなければならないのだと肝に命じることができるきっかけになった。
2、確認にかかる時間を考慮していない
仕事によっては、何人かの確認をしたうえでクライアントに提出をする場合がある。
そういったときは、確認に要する時間も考慮しておかなければならない。
3、バッファをとっていない
いつなにが起こるかはわからない。イレギュラーが発生したとき、ぎりぎりのスケジュールで
進めていると調整が困難になる。時間があることでどうにかできることは少なくない。
イレギュラー時には、とくに冷静さが必要になる。そのためにも、バッファをみておこう。
4、後出しで情報を伝える
とくに、社内での上限関係の立場でのやりとりで起こりがちだが、期限当日になって
「午後予定があるから、早くしてくれ」といったようなものだ。
相手にしてみれば「そんな予定聞いていない。今日までの指示だったから午後やろうと
思っていたのに…先に言ってよ…」と反論したくもなる。
指示をするときは、指示する時点で分かっている情報を伝えることが大事である。
もちろん、急な打ち合わせが入ることもある。しかし、事前に分かっているならば
(急でも分かった時点で早めに)、しっかりと自分の事情を伝えておこう。
5、相手に“察する”ことを求める
自分がやらなければならない明確な指示をせずに、相手に“察してほしい”と求めてばかり
いないだろうか。「そのくらいは言わなくても分かってくれると思っていた」というのは
自分勝手である。
仕事はたくさんの人と連携しながら進めていく。人の数だけ予定があり、解釈もまた人の数だけある。スケジュールの指示を出すときは、日にちまでではなく“時間”も明確にしよう。そして、自分都合の勝手な進め方ではなく、周りへも十分な配慮をしよう。